ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol. 63

約20年ぶりのSPring8でヨウ素のK端EXAFSを見た

 2/13にSpring8の BL-14B2(図1)でXAFS実験をさせていただきました。昨年の炭素材料学会年会で特別講演をされた上原さんにいろいろとご指導をいただき、ずっと測定したかったヨウ素K端EXFASを観測することができました。ヨウ素のK端は 33 keVもあるので実験できる場所は限られます(たぶん日本ではSpring8か高エネ研のARだけ)。測定したいと思いながらなかなかハードルが高く実現しませんでした。今回実験できたことを上原さん、BL担当の本間さんに心より感謝いたします。


図1 実験させてもらったSpring8 BL-14B2 のハッチ。

 実験できたことで今回の目的の半分以上は達成した感じでした。次に実際にカーボンナノチューブに内包させたヨウ素を測定してエッジジャンプが見えた時点でかなり満足。さらにEXAFS信号が見えそうだとわかった時には大満足でした(図2)。


図2 測定したナノチューブ内包ヨウ素のK端XAFSデータをAthenaで開いた直後の表示画面。

 低温実験もできそうなので、内包されたヨウ素とナノチューブ間の電荷移動の温度変化によるヨウ素の構造変化を調べることもできそうです。と書いたものの、EXAFSの解析を行った経験がないのでどこかに修行にいかないといけません。

(2023. Feb. /SK)