ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol. 62

新刊のお知らせ「分光実験のヒント」

 夏休みの宿題として前期のゼミで研究室の学生向けに行っていた「分光実験のときに試料の中で何が起こっているのかを電子レベルのイメージをつかむ」お話を文書にしました。(記事へのリンク

 「空はなぜ青い?」という質問についてインターネットで調べると「空気中の分子で赤の光よりも青の光の方がよく散乱されるから」という回答が見つかるでしょう。「夕焼けはなぜ赤い?」に対する答えも同じ回答がみつかると思います。しかし、なぜ青色の光が赤色の光よりも散乱されるのかについて解説しているものは少ないのではないかと思います。水中で赤色の光の屈折率が青色より小さいということについても詳しい解説は少ないように思います。


図1 どうして虹は外側が赤なのか?

 赤外吸収実験とラマン散乱実験はどちらも分子振動をしらべる分光実験です。「赤外吸収は双極子モーメントが変化する振動を、ラマン分光では分極率が変化する振動をみる」という解説は多く見かけますが、なぜなのかを解説しているものは少ないように思います。ラマン散乱がおこるメカニズムを図2のように解説しているものをおおくみかけますが図の中のバーチャルな遷移状態が一体何なのかを説明しているものも少ないようです。


図2 ラマン散乱のメカニズムを説明するときによく使われる図

 私の夏休みの宿題がこうした疑問への答えになっていると良いのですが、いろいろと間違いもあると思います。どうか間違いをご指摘くださいますようお願い申し上げます。

(2022. Nov. /SK)