ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol. 69

偏光ラマンを素人なりに考える

私たちの研究室が管理をお手伝いしている共通利用のラマン装置では偏光ラマンの測定が可能です。 ポリマーの研究をされているグループからの要望で偏光のアタッチメントを導入したと記憶していますが、これまで私たちの研究室ではまったく利用する機会がありませんでした。しかし、昨年からドイツとの共同研究で無機有機ハイブリッドペロブスカイトの単結晶を扱うようになると、このアタッチメントを使ってみようと思うようになりました。試しに少し測定してもらうと、なんだか面白そうな(本当に面白いかどうかはまだわかっていません)結果が得られました(図1)。

内面白いかどうかは、いったい何が偏光ラマンで見えているかを理解しないといけません。 これまで偏光ラマンに触れることがなかったことを言い訳になんとなく偏光ラマンはこんなものといういい加減なイメージでやり過ごしてきました。 研究を始めるにあたって、少しだけ整理しておいた方がよいだろうとメモ的なものをここにまとめました。 これまでのカギカッコつきの“解説書”と同様に間違いだらけのものになっていると思いますので、気をつけてお読みください。 私を含めたラマン散乱の初学者の方向けに“ラマン散乱について少しだけ詳しいメモ”を残そうとの気持ちで書いたものですが、 いつものように気持ちが空回りしているような気がします。

(2025. Apr. S.K.)