ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol. 5

ひたすら安価を目指した電気化学測定システムの2号機

カーボンナノチューブなどのナノ炭素材料のリチウムイオン二次電池電極特性の研究を行っています。キャパシタ用電極としての評価も始めようとしています。当然、定電流充放電曲線やサイクリックボルタモグラムの測定を行わなければなりません。悲しいかな、研究予算は大きく獲得できません。そこで、手作りのシステム構築となります。

写真をご覧になって、ただのパソコンと、ポテンショスタットじゃないかと思われた方がいらっしゃると思います。そのとおりです。ただし、実はパソコンとポテンショスタットはつながっていて充放電曲線やCVの測定を行ってくれます。パソコンにAD/DAボードをいれて、ポテンショスタットを制御し、データを取得しています。

前回作成したのと同じAD/DAボードが手に入りました。簡単にはいかないだろうなと覚悟しながら始めたのですが、すんなり動いてくれて拍子抜けしました。時間制御などをソフト的に行ったことで汎用性が出たようです。

今回特筆すべきは、システムに費やした費用です。AD/DAボードは前回よりも安くなっていて5万円を切りました。(ただし、冊子体のマニュアルがなくて困りました。たまたま、前回購入した時のが残ってたので大丈夫でしたが、ないとやっぱり大変じゃないでしょうか。)パソコンは研究室の学生がノートパソコンに切り替えたので不要になったのを強奪しました。CD-ROMは動かないマウス、キーボードもない状態でしたが、キーボードは隣の建物が改修でごみがたくさんでたときに確保しました。このとき、パソコンラックまで手に入ったのは幸運としかいいようがありません。ポテンショスタットはある研究室からお借りしたものです。ディスプレイは自前ですが、写真撮影用で、実際の測定時には1号機のディスプレイと共用する予定です。長くなりましたが、今回購入したのはAD/DAボードだけということです。うまくいきました。