ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol.34

運河の上の太陽電池(インド)

インドのアーメダバードに再生可能エネルギーの国際会議(ICORE2012)を口実にIndraに会いに行きました。IndraはPandit Deendayal Petroleum UniversityのSolar energy school の准教授になっていて、ICORE2012のとりまとめを行っていて私に声をかけてくれたという次第です。初インドで躊躇したものの、今年度から2年間 JSPS-DST の二国間交流を行わなければいけないこともあって参加しました。会議の翌日にIndraの学生に連れて行ってもらったのが canal-top mega-solar system です。タイトルでは運河としましたが、大きなものではなく用水路と言ったほうが適切です。インドは郊外に大きな農地が広がっていますが、そのための農業用水路です。アーメダバードは夏は気温50℃近くにもなる暑いところです。そうすると用水路の水も農地に届く前に干上がってしまうということがあるようです。これを防ぐには用水路にふたをしてやれば良いのですが、このふたとして太陽電池を使おうというものです。私はよく知りませんでしたが太陽電池は温度が高くなると効率が悪くなるそうで、用水路に設置すると温度上昇を抑えられるという利点もあるようです。また、用水路の上であれば土地代が不要というメリットもあるようです。さらに、太陽電池パネルの砂埃を用水路の水で洗浄できるのも canal-topならではですね。

学生たちに太陽電池の前にいろいろと観光にも連れて行ってもらいました。この地域には装飾を施された階段井戸がいくつかあります。写真ではわかりませんが、私の後ろに階段があり、降りていくと確かに井戸がありました。非常に美しい装飾でした。会議の前に訪れたタージマハルの圧倒的な迫力とはまた異なるインドの底力のようなものを感じました。なかなか楽しい旅ではありましたが、学生たちにはごく普通の屋台のプーリーやココナツ、チャイは美味しくいただいたものの帰国後は胃腸の不調に悩まされております。