ナノスペースカーボンの科学と工学、極限環境の電気化学

名古屋工業大学 川崎・石井研究室

「最近の研究から」Vol. 3

天然鉱物の上にどうやってナノチューブができる?

最近の研究から vol.1」で紹介したように、天然鉱物上でメタンガスの熱分解を行うときれいな単層カーボンナノチューブができるものがある。これまでに15種類くらいの鉱物を標本店から購入して試したところ、マグネサイトやブルーサイトできれいなナノチューブができることを確認した。そうなると気になるのはどうやってできたのか、ということです。

メタンガスの熱分解でマグネサイト上にナノチューブが生成する過程をX線吸収端微細構造(XAFS)で追いかけてみました。つくばのKEK BL-9C で実験しました。その結果の一部を図にしています。この図から、(a)最初は置換的にマグネサイトに含まれていた鉄が、(b)加熱により表面に拡散し、酸化鉄微粒子を形成する。(c)メタンガスを流すと一部還元を受け、(d)金属鉄微粒子を触媒としてナノチューブが成長する。というメカニズムが読み取れます。と私は思います。と私は論文に書いてしまいました。 (Solid State Commun., 138, 382-385, (2006).)